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永山のガーデンハウス

私たちは無常の世界に住んでいます。すべてのものは移ろいゆく・・・・。
住宅も、私たちが子供の頃は敷地の入り口から住宅の玄関部分までに小さな庭があって 茶の間のベランダ越しに四季の移ろいを感じることができる家が多かったと思います。私が育った家も緑に囲まれていました。
ただ、子供だった私がそのことに癒されたり豊かさをその当時に実感したことはありませんが、今考えてみると大きなソメイヨシノの老木が家の前にデンと構えていた懐かしい情景には家族との様々な思い出が詰まっていますし、贅沢な空間で育ったとも言えるでしょう。近頃、新興住宅街を歩くとリビングから庭を眺めるような設計を見かけることはあまりありません。住宅の予算の問題や一家族あたりの車の台数なども関係しているでしょうから、このことが如実に人々の「緑離れ」を意味しているとは思いませんが少し寂しいような気もします。
住宅という完成した瞬間から朽ちはてていく方向に向かうものと植物という永遠ではないがしかし一定期間までの隆盛を楽しむことのできるものとの対比や微妙なバランスが生活に潤いを与えたり、あるいは日本人の無常観に影響を与えていることは今も昔も変わらぬ事実だと思います。
緑を愛するクライアント家族のために設計されたこのガーデンハウスのお庭が今後どのような表情を見せてくれるのか楽しみです。